2023年08月13日

【総合選抜制度が廃止されて20年。総選各校で格差拡大。城南はトップではないが上位維持】

 「天下の徳中」の歴史を踏まえた城南高校は、徳島県トップの進学校として、東京大学や京都大学をはじめとする有名大学や、徳島大学医学部などに多数の卒業生が進学していました。しかし、徳島県全県から生徒が集まるため学校近くに下宿をする生徒も多く、経済負担が問題になっていました。また、徳島市内ではトップの城南高校と、次の城東高校や城北高校との間で大学進学実績に大きな差があったことなどから「城南信仰」が強く、「中学浪人」しても城南高校を目指す15歳が毎年数十人発生する事態になっていました。昭和40年代、全国的に高校受験の激化は課題となり、「15の春を泣かせない」を目指して、全国で総合選抜制度、学校群制度が導入されます。徳島県は、徳島市内の普通科4校を一括選抜し、抽選などで合格者を割り振ることで学力を均一化させる総合選抜制度を昭和47年度(1972年度)から導入します。その後、総合選抜制度は6校まで拡大します。
 しかし、徳島市内の中学校では「真ん中ちょっと下にいても、総選校に入れる」と受験勉強が「ぬるま湯」になり、結果、徳島市内の中学生の学力が低下したと言われます。さらに、各高校では、有名大学受験生から、専門学校受験生、就職生までが机を並べて学ぶことになり、学力差を踏まえた授業が課題になります。そして、他県に比較して有名大学への進学実績が低下したと言われます。さらに、私立の中高一貫校の徳島文理中学・高校に優秀な児童が進学し、県立高校から有名大学への進学が徳島県では低下します。
 ついに平成16年度(2004年度)に、約30年間続いた総合選抜制度は廃止され、各校受験に戻ります。総合選抜制度が廃止されてちょうど20年。旧・総選校間で偏差値の格差が拡大していることを徳島新聞が記事にしています。少子化と価値観の多様化の令和になり、総合選抜制度の導入前、50年前のように「中学浪人」をする15歳はいない時代ですが、総選6校の偏差値の格差拡大、「序列」が記事になっています。各高校の「序列」が公器の新聞記事になること、時代の変化を感じます。
 徳島新聞、ネットは有料記事のため肝心の「序列」は読めませんが、記事として関係部分を以下に一部引用します。城南高校はトップではないが、上位で頑張っている、というところでしょうか。
=======(徳島新聞7月17日より一部引用)=====
徳島市と阿南市で小中高校生対象の教室を展開する能開センター(本部・徳島市)によると、独自にはじき出した偏差値で最も高いのは徳島市立・理数科の58だ。次いで城東・普通科の55。徳島北・国際英語科の53、城南・応用数理科の52と続く。城南・普通科は50。徳島市立と徳島北の普通科、城北・理数科学科が48で並ぶ。城北・普通科は44だった。ちなみに私立の徳島文理は58で、徳島市立・理数と並んで県内では最も高くなっている。

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posted by 渦の音 at 12:43| Comment(0) | 母校近況など | 更新情報をチェックする
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